社会福祉法人 天童会

お知らせ

理事長のご挨拶

さわやかな風が木々をわたり、新緑がいよいよ美しさを増す季節となりました。社会福祉法人天童会も、新たな年度を迎えました。

昨年度は、能登半島を襲った地震や豪雨、記録的な猛暑、各地での山火事など、自然の猛威に心を揺さぶられる一年でした。中でも能登では多くの方が命を落とされ、今もなお困難な生活が続いています。被災地で助け合いながら懸命に生きる人々の姿や、支援を続ける方々の温かな行動に、私たちは人の強さと優しさをあらためて感じさせられました。

海外に目を向ければ、ウクライナでの戦争は3年目に入り、ガザでは1年半にわたり多くの命が失われています。今年に入ってミャンマーでも大地震が起きました。かつて強く心を動かされた出来事も、時間が経つにつれて関心が薄れてしまう自分に気づくことがあります。忘れないように努めることも、私たちの責任かもしれません。

弱い立場にある人や困難を抱える人と、どう向き合うか。それは、重症心身障害のある方々と日々向き合う私たちの姿勢とも重なります。目をそらさず、まっすぐに向き合うということは、その方のためだけでなく、「自分自身がどう生きるか」を問い続けることでもあるのだと思います。天童会での日々の実践は、まさにその問いへの応答であり続けたいと願っています。

一方で、心に明かりを灯すような出来事もありました。パリオリンピック・パラリンピックでは、日本の選手たちの活躍に勇気をもらいました。そして何より、大谷翔平選手の国境を越えた活躍は、スポーツの枠を超えて、多くの人々に夢と元気を届けてくれました。うれしかったですね。

社会福祉法人天童会は、医療型障害児入所施設「秋津療育園」をはじめ、重い障害のある方々が安心して暮らせる場所を提供し、その方らしい日々を支える医療・看護・介護・療育を行っています。私たちは、一人ひとりの命のかけがえのなさに寄り添い、小さな変化や表情に気づき、心の声に耳を傾ける姿勢を大切にしています。

今年度も、利用者の皆さまとご家族にとって、心から信頼できる場所であり続けることを目指し、職員一同、力を合わせてまいります。そして私たち自身もまた、日々の実践を通して、人として成長し、学び続けていきたいと願っています。

皆さまの変わらぬご理解とご支援を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

社会福祉法人 天童会
理事長
大石 勉

理念・基本方針

理念
 私たちは、障害者の生命と生活を守り心身の成長・発達を援助し、その維持に努め
 社会のつながりを保ち豊かな人生を実現するために努力します
基本方針
 1.個々の障害者に見合ったきめ細やかな療育を提供します
 2.療育の専門職として、知識と技術と精神を養い、職員相互の理解と協調を図り療育に努めます
 3.家族や社会と連携し、共に福祉の向上に貢献します
 4.施設が持っている専門分野などを地域に還元します
 5.諸外国とも交流し、障害者療育・福祉の向上を図ります

沿革

1958 (昭和33) 年11月 草野熊吉が、キリスト教の精神に拠って、当時、児童福祉法、医療法、教育基本法などのあらゆる福祉の谷間におかれた重症児(重度重複障害児)のために、福祉の楽園を願い同志の協力を得て、秋津療育園を開設する (11月20日) 。
1959 (昭和34) 年7月 病床数21床で事業開始する (7月22日) 。
1962 (昭和37) 年12月 財団法人秋津療育園の設立が許可される。
1964 (昭和39) 年8月 旧第2棟・職員宿舎などを増築し28床増床する (病床数49床) 。
1965 (昭和40) 年6月 旧第1棟・炊事棟・管理棟などを増築し51床増床する (病床数100床) 。
1971 (昭和46) 年8月 成人棟増築、生活訓練棟を改築し27床増床する (病床数127床) 。
1974 (昭和49) 年7月 秋津療育園内に託児所 (こひつじ園) を開設し職員家族宿舎、医師宿舎を設置する。
1978 (昭和53) 年3月 秋津療育園内で歯科診療を開始する。
1988 (昭和63) 年12月 財団法人秋津療育園から社会福祉法人天童会に運営を継承。設立認可される (12月15日) 。
1989 (平成元) 年10月 秋津療育園改築工事を開始する。
1991 (平成3) 年3月 改築工事第1期 (第2・3療育棟) が完了する。
1992 (平成4) 年7月 改築工事第2期が完了し8床増床する (病床数135床) 。通園、緊急一時保護、短期体験入所等を開始する。
1994 (平成6) 年3月 秋津療育園改築工事が完了し40床増床する (病床数175床) 。
1999 (平成11) 年3月 医療法改正に伴い、3病棟体制を4病棟体制に変更する。
2006 (平成18) 年10月 児童福祉法改正に従い、契約制度が導入される (入所事業) 。
2008 (平成20) 年7月 創立50周年を迎える。9月3日記念式典を開催する。
2010 (平成22) 年3月 こひつじ園を青葉町三丁目9番地33に移転する。
2012 (平成24) 年4月 障害者自立支援法等の改正に伴い、児童福祉法に依拠する医療型障害児入所施設と後に施行される障害者総合支援法に基づく療養介護事業所の一体型運営に移行する。
2013 (平成25) 年12月 秋津療育園相談支援センターを開設し、特定相談支援を開始する。
2017 (平成29) 年4月 こひつじ園が、事業所内保育を開始する (定員19名) 。
2018 (平成30) 年4月 子どもの複合施設 (SLPセンターアーク) 開設のため、地域支援事業準備室を設置する。
11月 秋津療育園相談支援センターで、障害児相談支援を開始する。
2019 (令和元) 年11月 創立60周年記念事業として、SLPセンターアーク新築工事を開始する。
2021 (令和3) 年1月 SLPセンターアーク新築工事が竣工する。
3月 SLPセンターアーク内に、アークこども相談センターを開設し、秋津療育園相談支援センターの障害児相談支援を移管する。同施設内に、アークこどもクリニックを開設する。
3月 SLPセンターアーク内に、児童発達支援センターマイムを開設し、児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援および保育所等訪問支援を開始する。
4月 SLPセンターアーク内に、こひつじ園を移転し名称をエメット保育園に変更する。
7月 訪問看護ステーションあきつを開設し、訪問看護、介護予防訪問看護を開始する。
2023 (令和5) 年4月 エメット保育園の事業を小規模保育A型に変更する。

各事業所