
社会福祉法人天童会 秋津療育園は、児童福祉法第43条の4項に基づいた、重度の知的障害と重度の肢体不自由を併せ持つ重症心身障害児の療育施設です。

私たちは、障害児・者の生命と生活を守り、心身の成長・発達を援助し、その維持に努め、社会とのつながりを保ち、豊な人生を実現するために努力します。

- 個々の障害児・者に見合ったきめ細かな療育を提供します。
- 療育の専門職として、知識と技術と精神を養い、職員相互の理解と協調を図り療育に努めます。
- 家族や社会と連携し、共に福祉の向上に貢献します。
- 施設が持っている専門分野などを地域に還元します。
- 諸外国とも交流し、障害児・者療育、福祉の向上を図ります。

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「福祉は本音で、療育は心で人の手で」このことを、初代理事長 草野熊吉が常々申しておりましたが、この理念が今ほど大切な時は無いように思われます。
今年(2011年(平成23年))は、秋津療育園が1958年(昭和33年)に、当時あらゆる福祉の谷間に置かれた重症心身障害児のために、現在地に施設を開設してから53年を迎える年になります。
1967年(昭和42年)に児童福祉法が一部改正されて、秋津療育園も重症心身障害児施設として正式に法のバックアップを得ることになりました。それまでの9年間は、数多くの善意の方々や後援会等のご協力によって、まがりなりにも運営して参りました。
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理事長 草野時治
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戦後、日本の福祉行政は施設中心に発展して来ましたが、1990年(平成2年)に入り、在宅や地域福祉中心に国の政策が転換されて来ました。それには、ノーマライゼーションの理念に加えて、措置制度から利用者の選択を重視した契約制度への転換や、少子高齢化による財政事情等の問題も関係があったかと思われます。
2000年(平成12年)にスタートした、介護保険制度や社会福祉の基礎構造改革をはじめとして、福祉施設の機能や役割は今なお変化しております。
障害者自立支援法の施行に伴い、秋津療育園も2006年(平成18年)10月1日より措置から契約へと移行されました。契約制度への移行に伴い、利用者の方々の自己負担金は介護保険制度と同様に応益負担となりました。しかし、重症心身障害児については、利用したサービスの質や量によって負担金が増える応益負担は、たとえ軽減措置があっても制度として疑問のあるところです。重症心身障害児は、より多くの人的、物的サービスを必要とし、そのためには、結果として多額の費用がかかるからです。
欧米からのノーマライゼーション、インクルージョンの基本的な理念は、障害があっても普通の暮らしが可能なようにとのことであり、経済的自立と収入はイコールではありません。
障害者自立支援法が制定されて5年になりますが、同法の廃止をマニフェストに盛り込んだ民主党が今回政権を担ったので、今後の障害者福祉の方向が今のところ明らかではありません。民主党は「障がい者総合福祉法」(仮称)の制定を公約にしていますが、現時点では内容や制定の時期は不明確で、平成23年度、24年度はいわゆる「つなぎ法案」により検討され対応することになると思われます。
わが国には障害者を対象にした福祉サービスの法律として現在、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法、老人福祉法の5つの法律があります。児童福祉法と老人福祉法については、基本的には障害者福祉の対象ではありませんが、児童福祉法には肢体不自由児施設や、我々の重症心身障害児施設等があり、老人福祉法では特別養護老人ホーム等があり、明らかに障害を要件とすることがいろいろ規定されています。
また、各々の法律による18歳、65歳という年齢区分は実際にはそれほど厳密なものではなく、必要に応じて18歳未満で「者」の施設に入所したり、「者」になってもそのまま「児」の施設に入所を継続することも可能となっています。5法のうち、特に障害の種類による縦割の福祉法は専門化、特殊化を重点に対象を限定して志向しているので、現在の障害者福祉をめぐる普遍化と拡大の要求等の各々の変化に対応することが出来なくなっていることも事実です。
これからは、障害別の特異なものから障害種別を超えた共通なものへ、医学的なものから社会的なものへの変化に対応することも重要で、障害の種類や暦年齢だけで区分せずに、各々のニーズによって利用できる多様な障害をもった人々に対する柔軟性のある制度の確立がのぞましいのではないかと思われます。
この点からも「障がい者総合福祉法」(仮称)を制定し、制度の谷間にいる障害者をなくすことは大変重要なことと思われます。
重症心身障害児は他の障害者と比べて障害が重度でしかも重複しており、その上病気の症状や障害の個人差も多いので、規格化した障害の枠の中に当てはめることには無理があります。施設発足当初の経緯もあり、障害の多様性と医療の必要性、年齢の問題、専門職員の確保と定着の問題等「障がい者総合福祉法」(仮称)の内容をきめ細かく規定しないと不十分な対策となる可能性は十分考えられます。
近時、電子メディア(テレビ、パソコン、携帯等)の開発により、社会がどんどん変革し大変便利になり、一見進んでいるかのように思われますが、むしろ逆に人間性の相対的退化が非常に感じられるようにもなっております。
人間回復、福祉の原点を模索する過程に、重症心身障害児たちへの「療育の確立」があります。人間性や隣人等を思いやる心が真の幸福につながります。
立派な理念はもちろん大事ですが、これからは確実に実行に移すことがむしろ大切です。今後は法や制度の変革にとらわれずに、秋津療育園は53年の療育の積み重ねを大切にして、職員と一緒に将来に向けて、より療育内容の充実を図りたいと願っております。
2011年4月 理事長 草野時治
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